#02 「更に遡り始める時、5年前」

アーサー:
少し、過去の話をしよう

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5年前、俺はアリッドリッジ校を卒業後、ビジネス経営学を学びに、大学へ行った。
アリッドリッジでは寄宿制だったが、春、夏、そして冬。年3回の長期休暇の間だけ、実家に帰った。
でもそれは、愛犬のバディに会いに行っていたようなものだった。

大学への進学によって、俺は完全に実家を離れることになった。
戻るつもりはなかった。
ただ相変わらずどこへ行っても身内から連絡は絶えず来るし、
道を歩いていてもすれ違う人から『お坊ちゃん』と声をかけられることは珍しくなかった。
通りを歩くときは、人が避けて歩いている気がした……実際、そうだったと思うけど。
それが、とても息苦しかった


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オアシス・スプリングスへ立ち寄る機会があっても、実家へはたまに寄る程度。
この日は、少しハメを外してどこかへ行きたい気分だった


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「いやー、本当に凄いんだって!」

アーサー:
「?」


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「本当に?嘘ついたらぶん殴るわよ?」

「マジマジマジ。少なくとも俺は好みだ!だからお前もきっと気に入るはず!だから行こう!」

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「何その理屈?だから女性ボーカルってあんまり好みじゃないの。
でもそんなにあんたが推すんだったら行っても良いけど?で、何時スタート?」

アーサー:
「あの、何の話ですか?」

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「ハッ……アーサー様!……え、いや、その、今日のペブル・クロウで行われるライブのことですよ!
その、ちょっとしたライブが行われるわけです!坊ちゃんもいかがですか?」

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アーサー:
「ライブ?それ、俺も入れるのかな?予約なしで」

「ももももも勿論です!絶対入れます!!」

アーサー:
「そうか……行ってみようかな。ありがとう」

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「ヒソヒソ……
(ちょっとあんた!何薦めてんのよ!何かあったらあたしら公開処刑よ!?)」

「ヒソヒソ……
(すまん!だって聞かれたんだもん!めっちゃノリで答えちゃったんだよ!)」

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ペブル・クロウ

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『――本日のセットリストは入口で配布。ギタリスト募集――』

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ケイト:
「ねえ、私ちょっと……無理かも。吐きそうよ」

リアム:
「吐けよ」

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ジェイコブ:
「何言ってんだケイト!いつもよりちょっとぐらい人多いぐらいだろ?
あんな数でびびってんじゃねえ!楽しめよ!」

リアム:
「そうだ。どうせ観に来ている奴なんてつまらない奴ばかりだ、気を楽にしろ」

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ケイト:
「そうね……そうよね!それに、頑張るなんて全然ロックじゃないわね。
いつも通りやれば良い。適当にね」

ジェイコブ:
「おうよ!あとはギタリストが一人入ってくれりゃあ、音数としては完璧だ。
さ、準備はできたか?行くぞ」

ケイト:
「(でもやっぱり緊張するわね。さっきよりも更に集まってきてる気がする。
緊張のせいかしら……嫌ね)」

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「ね、ねえリアム。始まる前に、何か言ってくれない?私に」

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リアム:
「……たかだか片田舎のクラブでやることだ。言うことはない」

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ケイト:
「はあ……。でも、あの人らしい。さてと、やるなら思いっきりやるか!」

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アーサー:
「(着いちゃった。ペブル・クロウ。
オアシス・スプリングスにあるのに、一回も足を踏み入れたことはなかったな)」

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「早く行かないと始まっちゃうわよ、そこの彼」

アーサー:
「へ?は、はい……」

俺がそこで見たもの、聴いたものは……



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衝撃だった

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会場の熱気、人々の飛び散る汗、張り裂けんばかりの歓声と音楽。
俺の心を突き動かした。
どれもこれも、リオ・ヴェルデに閉じこもっていては出会えないものばかりだった


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彼らに話しかけてみたい。彼らと話がしたい。勇気を出して、話しかけてみようと思ったんだ

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つまらない、何の変化もない自分の人生が、ほんの少しでも変わるって思ったんだ……

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