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#12 「笑えよ」

ジェイコブ:
「今日の女はしつこかったな~。あの後更に追いかけてくるとは思わなかったぜ。
他の女から聞いたんだが、どうやら金目当てだったらしいぞ。
金持ちを探しては…っていう。俺が間に入ったから良いものの、お前……」

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アーサー:
「そうだと思ったよ」

ジェイコブ:
「引っかかんなくて良かったな。これから誘惑も増える分、そういうのも増える。気を付けな。
それとアーサー、お前もっとハッキリ断れよ。喰われるぞ、そのうち」

リアム:
「『失礼』、なんて生やさしいな」

アーサー:
「他に断り方を知らないんだ。話の途中だったし、何か間違ってた?」

ジェイコブ:
「間違ってはねえけどさ……」

リアム:
「黙りやがれビッチとでも言ってやれよ」

ジェイコブ:
「ギャハハハハ!!良いわ、それ!」

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アーサー:
「黙りやがれビッチ……?」

リアム:
「そうだ。それをもっと叫ぶように言えよ。そうすれば完璧だ」

アーサー:
「こんなこと言っても大丈夫……じゃないだろ……」

ジェイコブ:
「いや迫力あるわ。特にお前が言うと。女がひれ伏すわ、いや女じゃなくても」

アーサー:
2人はたくましかった。俺とは違って。
いつも冗談を言っては楽しそうに笑い合って……。
でも、その理由を知ることになったのは、このふとした会話からだった


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ジェイコブ:
「ほう。お前の名前には、魔よけの意味があるのか。すげえな。
先祖代々そんな決まりが続いているなんて」

アーサー:
「ああ。うちは、男はAから始まる名前じゃないといけないって、そういう習わしなんだ。
だから過去の系譜を追えばアーサーという名の付く先祖はたくさんいる。
決まりごとは神話から来てるものが多いし、
アリッドリッジの『竜の子』も、うちの先祖が竜から生まれたって伝説から取ってるんだ」

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リアム:
「アリッドリッジの優秀かつ特別な家柄出身者にのみ許される称号、『竜の子』、か」

ジェイコブ:
「元々人じゃないってことか?」

アーサー:
「神話だから」

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ジェイコブ:
「でもよ、そう信じられてるんだろ?
ドラゴンを神として祀る……か。だからお前ん家の紋章はドラゴンなんだな。
しかしそれが神話っていう形として今も残るってのは何ともすげえ話だ。
俺らには自分の家に神話が存在するどころか、名前の由来、家…何もねえからな」

アーサー:
「うん?」

ジェイコブ:
「俺たちにはそもそも名づけた親自体がいねえからだ。俺たちは施設で知り合ったんだ」

アーサー:
「施設……?ご、ごめん」

ジェイコブ:
「お前が謝る必要ねえだろ。これが現実だ。いや、親がいねえというよりは、いた」



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「両親は喧嘩してるところしか見たことねえ。母親は毎日金切り声を出して怒鳴り散らす
ヒステリーのクソ女で、俺はガキの頃あの声が大っ嫌いだった。
父親はいつも泥酔状態で帰ってきては俺を酒瓶で……ガツンとぶん殴る!!」

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アーサー:
「ひっ!」

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ジェイコブ:
「酒瓶粉々。俺の頭も粉々。割れて血が出た。だから今も外れたネジが見つからねえ。
おいアーサー、そんな深刻そうな顔すんな。なあリアム。
母親はまともな家事なんてやったことはなかった。腹空かせた俺に食わせるのは
全部レンジでチンだ。だからオフクロの味なんて知らねえ」

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「父親は酒の他は女遊びばかり。親は離婚したが、裁判で父親は親権を主張しやがった。
笑えるよな、今まで酒瓶で、いや、酒瓶だけじゃなかったな。
素手、ベルト……果てはナイフだ。そんなんでよく親権って言えるよな」

アーサー:
「それで?父親のところへ行ったのか?」

ジェイコブ:
「あん?いんや、裁判の途中で虐待が発覚してな。あいつはムショ行き、俺は施設行きだ。
今はどこにいるんだか知らねえ。興味もねえし。そこら辺でのたれ死んでるんじゃねえか?
会うことがあったらぶん殴ってやるよ、あのクソ親」

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「……とか威勢の良いこと言ってるが、街で似た奴を見かけると今でも手が震えちまう。
しかも最近鏡で自分の顔を見ると、段々父親にそっくりになってきたんだ。最悪だろ」

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リアム:
「……少なくとも、お前の女癖の悪さは父親譲りだな」

ジェイコブ:
「まあな。気付いてはいるが。あ、これ、あいつと一緒じゃねえかってな」

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アーサー:
「…………」

リアム:
「アート、笑え」

アーサー:
「え?でも……」

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リアム:
「笑えよ。こういう話は笑って聞け。笑えないなら、俺も話そうか。
俺の親は……母親は、父親の浮気を知って首を吊った。第一発見者は俺だ。
父親は母親の死後何事もなかったかのように、浮気相手とすぐに再婚した。
その新しい母親は、とても良い人だった。…表面上は」

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「父親が留守にしたある晩、母親は俺を寝室に呼んでこう言った」

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可愛いリアム、こっちにおいで。良いことを教えてあげるから

アーサー:
「……そんな」

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リアム:
「あの時は11歳だった。『母親』との関係は、2年間ぐらい続いた」

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「あの日耐え切れなくなって、裸足のまま家から脱出した」

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「逃げる途中に見かけた大人に必死に事情を説明して、保護された。その後どうなったと思う?」

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「助けてくれるはずの大人たちは俺に『母親』と同じことをしたんだよ」

ジェイコブ:
「この世の地獄だ」

リアム:
「大人は誰も助けてくれない……笑えるだろ。
幸運なことに何とか施設まで辿り着けたが、そこで世話してくれた大人たちのことを
俺は最後まで信用することができなかった」

アーサー:
「…………」

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ジェイコブ:
「だから!そんな顔するなって!」

アーサー:
「だ、だってさ……」

ジェイコブ:
「昔ああだったから、あんなことされたからって理由で
今が不幸だとかそういうわけじゃない」

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「俺たちは楽しんでるよ。実際楽しいだろ?お前にも会えたしな」

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「さ、今日のライブ大盛況!の記念に、祝杯をあげようぜ」

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